アンガーマネジメント 一般的な怒りの分析と対処


アンガーマネジメントという言葉をよく聞きます。

怒りをどう制御するか…。
これは人間にとって、昔から大きな問題なんですね。

だってお釈迦様もこの問題には多く言及していたくらいですから。
逆に言うと、2700年前から問題になっているのに、未だにバッチリの解決方法が見つからないということとも言えます。

さて、では今よく言われている分析と対処方法は何かと言うと、こんな感じではないでしょうか。

問題点

・心臓病や循環器系の病気など健康に悪影響を及ぼす

・人間関係のトラブルが起きたり、孤独になったりする

・自身の評価などに悪い影響が出る

・周辺にも怒りの連鎖が起こる

分析

・怒りは二次感情である
 従って不安や恐怖や淋しさなどの一次感情に気付くことが大事

・怒りは、「こうあるべき」という思考のパターンから生じる




対処法

・怒りのピークは6秒間。
 したがってその6秒間怒りを抑えることができればよい

・変えられることと、変えられないことがある

・怒りの内容を書き出す
 それによって客観的に考えることが出来、行動を改善しやすい

・コミュニケーション・スキルをUPさせる


認知行動療法

下記の思考パターンを変容させる

・べき主義
 「~であるべき」を「~であるにこしたことはない」と変える

完全主義
 完全にこだわらない 白か黒かの二分思考に嵌らない

過度の一般化
 「いつも」「みんな」など、一つのことを全てにあてはめない



リラクーゼーション

・散歩・深呼吸・軽い体操などリラックスできることをする。

・好きな音楽や心が落ち着く音楽を聴く

・アロマテラピー(ラベンダー等)

・マインドフルネス瞑想法(ヴィパッサナーを参照)


怒りをもう少し深く分析すると…

ということで、一般的に言われていることを書き出しましたが、これからはもう少し深く掘り下げてみましょう。

まず、上記の分析や対処法というのは、主に『人間という知能(大脳)からくる怒り』についてのものが多いんですね。

『べき主義』から来る怒りなんていうのは、或る意味『常識』とか『良識』というルールがあり、それが破られたと感じた時に湧き出るものです。

でも、実際問題としてはもっと『幼児的な怒り』というのも多いんです。

ただ、我々は大脳が発達して、いろんな理屈を考えることができる為、感情の上に理屈を乗せて表現することが多いんですね。

上記の
『怒りは二次感情である。従って不安や恐怖や淋しさなどの一次感情に気付くことが大事』
というのは、この話となります。

ちなみに、コミュニケーション・トレーニングやコーチングで言われるところの『You(ユー)メッセージをI(アイ)メッセージに変えよう』というのも、この話です。

「 You should(must) 」を「 I wish 」に、つまり「あなたはこうすべきだ」を「わたしはこうしてほしい」にしましょうね、ということで、実は大事なのは『ユー』や『アイ』というよりも、『 should(must)』と『 wish 』の問題だということになります。

さて、『 should(must)』を『 wish 』に変えればいいのだと言っても、実際はこれはそんな簡単なことではないんですね。

なぜかというと、我々は子どもの頃から長い時間をかけて、親や先生や周囲から禁止や命令を受け、いろいろなルールを頭の中に刷り込まれています。

そしてそれによって我々の『 wish(欲求)』は、心の奥深くに抑圧されてしまったり、極端な場合はヨーイ・ドンの時点で抹殺されてしまったりする場合が多いんですね。

しかもその過程は、無意識のうちに行われていますから、我々は意識としては知らない間に抑圧されてしまっているということなんです。

だとすると、まずは心の中にある刷り込まれたルールがどういうものなのか、そしてそれによって欲求はどのように抑圧されていたり、捻じ曲げられているかを知らないと、お話になりません。

実はこの過程で大事なのが、カウンセリングの際にカウンセラーが行う傾聴なんです。

もちろん、傾聴してもらえばすぐに抑圧が解けたりするものではありませんから、これにはある程度の時間が必要です。

そうやって考えると、『怒り』の対処ってすごく難しいことがよくわかりますね。




一般的なアンガーマネジメントが上手くいかない?

ところで、心理カウンセリングに来られる方の中には、本を買ったりセミナーに行ったりして一般的なアンガーマネジメントを学んだけれど、結局上手くいかないという人も多いんですね。

実は、脳のタイプによっては確かに一般的なアンガーマネジメントの方法が通じにくい場合もあるんです。

例えばADHD(注意欠如多動症)の傾向を持っている人(特に多動・情動タイプ)。

このタイプの問題点は、とにかく『待てない』ことなんですね。

待たされるとイライラが昂じ、元々脳の制御を担うところの力が強くないということもあり、怒りが爆発しちゃうわけです。

「6秒間怒りを抑えることができればよい」なんて言われても、それが出来たら苦労はないんですね。
だって、脳の情動系が活発で、制御系が不活発という構造なんですから。

逆に、そういう脳だから芸術に優れていたり、創造力が優れていたりということも多々あるので、これは本当に難しいですね。

要は得手不得手が極端で、その不得手の最たるものが『待つこと』なわけです。
そんな人に「6秒間待て」と言ったって、そう簡単にできるわけがありません。

生まれつき足が遅い人に、「速く走りたかったら速く足を動かせばいいんだよ」とアドバイスしているようなものです。

他にも、アスペルガータイプの人は「正しい・間違い」とか「ルール」についての過度のこだわりなどが有るので、やはり怒りの制御は難しいですし、情景や場面などの記憶がすごくいい場合も多いので、以前のことがフラッシュバックして、それで激怒するケースも珍しくありません。

もし、一般的なアンガーマネジメントが上手くいかないと悩んでおられるなら、タイプの問題ということも考えて、自分に合ったアンガーマネジメントの方法を工夫するのも一つの方法だと思います。



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